L’ATELIER 5 REVES × pinpina (Thailand)

2015.05.13ニュース

 

 

 

 

タイ・バンコクの壁紙屋“pinpina”のショールームを訪ねて

東京で壁紙の施工とインテリアデザインを生業としている私たち、アトリエサンクレーブは、世界中から面白い壁紙を集め、お客様のイメージする空間づくりに役立てていきたいと考えています。そこで、世界の国々では、壁紙とどう関わり、どんな思いで商品やサービスを提供しているのか、世界各地の壁紙屋さんを訪ねることにしました。今回、私たちが訪れたのは、タイの首都・バンコク。街の中心地に店を構え、海外の独創的な壁紙を取り揃える「pinpina(ピンピナ)」は壁紙界の新鋭です。

タイの1年で一番暑い時期だという5月のある日、扉をノックすると、優しい笑顔のオーナー、ピンさんが迎えてくれました。

 

 

 

 

ピンさんは、以前建築・インテリア関係の仕事をされていたと伺いました。
そこから壁紙屋になろうと思ったのはなぜでしょうか?

私はインテリアデザインとマーケティングを学んでいました。両親が工務店でカーテンや壁紙などの室内装飾品も扱う会社を営んでいたので、もっとデザインの勉強がしたいと思ったのです。グローバルマーケットとは何か、タイにフィットするビジネスは何かを考えたとき、タイにはまだ壁紙が定着していなかったので、ホームデコレーションのためのアイテムとして勝機があるのではないかと思いました。

 

 

 

 

ショールームを作ったのはなぜですか?

壁紙を売るだけの小売店ではなく、私たちのコンセプトをわかりやすく伝えるための空間にしたかったからです。デザイナーの創るユニークな壁紙をベースに、ウォールアートのブランドをつくりたかったのです。そのためには、ただカタログを見せるだけではなく、実際に私たちのセレクトした壁紙が貼ってある空間を体験してもらい、「Which one is the best.(その空間にとってどれが最適か)」ディスカッションしながらデザインできる場所が必要だと考えました。

 

 

オープンしたのはいつですか?
また、オープンしてから、お客様の反応はいかがでしたか?

2014年10月です。オープン前の1年間は、毎月イタリアやフランス、アメリカなど世界中のトレードショーに行き、リサーチを重ねました。ご来店くださった方からは、「これも壁紙なの?」「これはとてもファンキーだね」など、さまざまな感想をいただきます。とても楽しんでくれていると感じますね。最初は認知してもらうのに時間がかかりましたが、雑誌「ELLE DECOR」に取り上げられ、カバー(表紙)を飾ったことでたくさんのお客様が来てくださるようになりました。

 

 

 

 

今、日本ではWALPAを中心にたくさんの輸入壁紙が売れています。一昔前の日本は白い壁紙が当たり前でしたが、今では住まい手が自由に壁紙を選び、自分の手で壁紙を貼ることを楽しめるようになったのです。タイの壁紙事情はいかがですか?

タイは湿度が高いので、壁はペンキで塗るのが当たり前で、これまで壁紙を貼る習慣はほとんどありませんでした。最近、少しずつ色や柄が豊富な壁紙が注目されるようになり、今後はますます認知度や需要が高まっていくと思います。

 

 

今回、日本の壁紙「ZEN禅」というカタログを持ってきました。今までの日本の壁紙のカタログは3センチ角程度の小さなチップのように壁紙が貼られていましたが、輸入壁紙と同じようにわかりやすい大きな50センチくらいで見れるカタログが新しく出来ました。(サンプルを見せながら)海外ではDIY文化が根付いているので、壁紙のサイズは肩幅と同じくらいの50cmです。それに比べて、日本の壁紙は91cm(3尺)もあります。和紙のような壁紙や金箔をモチーフにしたものなど、デザインもさまざまです。それに熟練の職人が機械を使って糊をつけ、ゆがみや凹凸のないようきれいに壁に貼っていきます。タイの壁紙にはどのようなものがあり、どのように施行していくのでしょうか?

ここでは、ジムトンプソンなどのタイブランドや伝統的な柄の壁紙は扱っていないのですが、壁に貼るときは壁紙の方に糊をつけています。一方、SCRAPWOOD WALLPAPER、NLXL(蘭)、Wall& Deco(伊)、Calico(米)などの輸入壁紙は分厚いので、壁に糊をつけてローラーでまんべんなく塗っていきます。ホテルなどでは壁を痛めないために、剥がせるタイプの壁紙を貼る場合がありますが、一般的な住宅ではあまり需要がありません。

 

 

 

 

日本ではDIYや注文住宅など、自分たちの手でオリジナリティのある理想の住まいを作りたいという若者が増えています。タイの若者(20〜30代)の住まいづくりに関しての考え方はいかがですか?

タイの20代はまだ学生であることが多いので、ほとんどの人たちは住まいにあまり投資をしません。30代になると、ある程度お金が自由に使えるようになってくるので、住まいに対する関心やニーズは高まっていくのではないでしょうか。

 

 

 

 

ピンさんにとってのインテリア、そして壁紙とはどんな存在ですか?

私にとってのインテリアは目の前の空間すべてが「絵」として浮かび上がってくるものです。壁紙はいろいろなテクスチャーやデザインがあり、自分の世界観を表現するのにぴったり。大好きな素材です。

 

 

 

 

最後に、今後どのような仕事をしていきたいか教えてください。

私たちは、ブランドものの壁紙を並べて販売するだけのコンビニエンスストアのようなお店を作りたいわけではありません。これからも空間スタイリストとして、「pinpina」だけにしかできないサービスを追求していきたいと思っています。

 

 

 

 

私たちも20年間積み重ねてきた施工技術とデザイン力で、国境を越えたたくさんの人たちに面白くて住みやすい空間を提供していきたいと思っています。ピンさんが来日された際には、日本の建築技術や和紙などの壁紙をぜひ紹介させてください。

本日はどうもありがとうございました。

 

 

 

 

Pinpina is a boutique styling studio, which is based in Bangkok, Thailand inspired by a stylish and artistic wall decoration & surface salon.

Pinpina, one of Bangkok’s freshest soft furnishings shop, was established in 2012 with an obsession for fabric textures and patterns. Our vision for Pinpina is to introduce very modern, contemporary and good quality of soft furnishings with worldwide selections to the interior decoration market in Thailand. Pinpina’s selections are from hip textile & wallpaper designers’ brands throughout Asia, Europe and America. We have many stylish variants that can fit both modern and contemporary style. Pinpina will also carry decorative arts and wall-coverings sections for home decoration. Our products and services from products to art will always be of the premium quality and are showcased in various boutique hotels and residential projects.

 

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